“センター”返しでエースを攻略した。慶大が立大に連勝し、勝ち点3で単独首位に立った。1点を追う4回、瀬戸西純内野手(2年=慶応)が中堅へ逆転の2点適時打。5回には郡司裕也捕手(3年=仙台育英)が、中堅左に今季1号ソロを放った。試合前のミーティングで「乃木坂46」の西野七瀬らグループのセンターを務めるアイドル写真を見て“センター”返しの意識を徹底。今季4勝の立大・田中誠をKOした。

 5回2死、慶大・郡司は“センター”を意識し、フルスイングした。「カウントが3-1だったので、真っすぐ一本で。強くセンター返しをする意識で」捉えた打球は、中堅左のスタンドで弾んだ。4回、逆転打を放った瀬戸西も中堅への一打で、計15安打中9安打を中堅から逆方向に集めた。郡司は「センター返しが今日の大きなテーマでした」と話した。

 試合前のミーティング、林卓史助監督(42)がアイドルの顔写真を手に「どういう意味か分かるか?」と問い掛けた。河合主将が「センター返しです」と返答。第1戦で8回無失点に抑えられた立大・田中誠対策に掲げた「センター返し」の意識を再度植え付けた。ベンチ裏のホワイトボードには、内田らがグループでセンターを務めるアイドルの名前を書いた。

 意識の徹底とともに、緊張も解いた。瀬戸西は「笑いが起きて、緊張が一気に和んだ」と笑顔。撮影に応じた郡司は「恥ずかしいです」と照れたが、4番での初アーチで単独首位に立ち「ホッとした」と息をついた。【久保賢吾】