9日の西武戦で通算2000安打を達成したソフトバンク内川聖一内野手(35)が、本拠地ヤフオクドームに戻り、4回に凱旋(がいせん)アーチとなる3号ソロを放った。

 日本ハム高梨の外角直球をバックスクリーン右のホームランテラスゾーンへライナーでたたき込んだ。「早く2001本目が打ちたいと思っていた。久しぶりに(バットに)引っかかった。ちょっとよくなった」。通算2000安打までは残り1本から15打席かかったが、重圧から解放されたのか、2000本目からわずか2打席目で安打が飛び出した。

 続く6回の第3打席では三塁線を鋭く破る二塁打。「余計な気持ちがなくなった」と、本来の内川の姿にすっかり戻った。球場には関係者から内川へ贈られた花が70個近く並んだ。ファンも「2000安打おめでとう」ボードなどを掲げ歓迎した。

 試合前、フリー打撃でケージに入る前に、日本ハム清宮があいさつへ訪れた。内川も打撃手袋を外し、笑顔で握手した。2000安打を記録した9日、清宮はプロ1号本塁打を放った。当日の達成後の会見で「清宮君、本塁打打ったと聞きました。高校出て1年目で結果を出して尊敬します。うらやましい」と、褒めたたえていた。

 翌朝、羽田空港に並ぶスポーツ紙の1面はすべて「清宮1号」だった。九州ではもちろん内川が1面だったが、球団関係者からは「2000安打の方が…」との声も出ていた。この日、清宮は4打席で2三振を含む4打数無安打。対して内川は本塁打、二塁打と名球会の打撃技術を見せつけた。8回、延長10回の好機で打てず、チームは延長11回で競り負け「最後、決めきれなかったことが申し訳ない」と責任を感じていた。だが、呪縛から解放された内川が上り調子になりそうだ。【石橋隆雄】