DeNAのドラフト9位、山本祐大捕手(19)がプロ初打席で本塁打を放った。7点を追う8回無死一塁で代打で登場。初球空振り、2球目見逃しで追い込まれたが、3球目の内角142キロを振り抜き、左翼席へ運んだ。「芯に当たったんですが、上がりすぎたので(スタンドまで)行くかな、と思って打球を見ていました。信じられない気持ちで(ダイヤモンドを)回りました」と振り返った。

 完敗モードに沈みかけていた本拠地スタンドは、ルーキーの初アーチに大歓声。「あの歓声をテレビで見ていた側の人間なので、グラウンドで聞けて幸せだなと思います」と感謝した。

 この1発が反撃ののろしとなり、8、9回の2イニングで5得点。試合は敗れたが、最後は2点差まで詰め寄った。アレックス・ラミレス監督は「クレージーと言われるかもしれないが、あそこで(山本を)使おうとよぎったので使った。彼にとっても、ファンにとっても忘れられない瞬間になったと思う」とたたえた。

 ただ、4回持たずに7失点でKOされた先発今永を含めた投手陣には厳しい表情。同監督は「負け試合としては、ベストな負け方だったかもしれないが、同時にストレスのたまる試合だった」と指摘。中日も敗れたため、最下位転落こそ免れたが、借金は12に膨らんだ。「我々は必ずよくなると思う。2位が当面の目標になるが、それに向けてベストを尽くしていきたい」と切り替えた。