セ・リーグは20日、9日に雨天中止となった阪神-巨人(甲子園)を10月9日(午後6時開始)に組み込むと発表した。この発表により、セの全日程終了は10月9日。今後の天候次第では、13日に開幕するクライマックスシリーズ(CS)までに日程を消化できない可能性が出てきた。

西日本豪雨など災害が続き、屋外球場が多いセは日程消化が難しかった。阪神は9月26日から10月9日まで14連戦となったが、今後も雨天中止の試合が発生すると、CS開催期間中に公式戦を開催する可能性もある。アグリーメントには「天災・天候不順等の特別な事情により、この時点(CS2日前)で未消化の試合は打ち切ることがある」との記載があるが、杵渕和秀リーグ統括は「CSと並行して可能な限り試合消化を目指す」と明言した。

規定により、CSに進出する3チームはファーストステージ(1S)開幕2日前の上位3位までと決まっている。だが、CS期間中に日程を消化すると、CSに進出するチームと最終順位の3位までが異なるという珍現象も起こり得る。勝敗いかんではCSを逃した球団が最終的にAクラスに浮上したり、CSに出場した球団がBクラスに転落する可能性がある。

パ・リーグでは13年に1S中に楽天(レギュラーシーズン1位)-オリックス(同4位)が行われたことがあるが、セでは過去に例がない。公式戦の最終順位の1~3位とCS出場チームが異なれば史上初の珍事。上位3チームと下位との差が開いているパでは可能性は低いが、混戦のセでは、最下位なのに日本シリーズに出場あるいは日本一ということも起こり得る。それだけに順位に関わるカードについて、杵渕統括は1998年(平10)を最後に実施されていないダブルヘッダーも「ないことはない」と話した。【斎藤直樹】

◆ダブルヘッダー 両リーグを通じて最後に行われたのは98年10月10日の横浜-中日戦(横浜)。パ・リーグでも同じ98年10月に4カードが開催されたのが最後で、同7日の西武-近鉄戦(西武ドーム)では、西武がダブルヘッダー2試合目でリーグ優勝を決めた。