甲府工(山梨3位)は、4回まで2-0とリードしたものの、5回以降、横浜(神奈川1位)の猛攻にあい、2-8で敗戦。勝利を手にすることはできなかった。

先発のエース小林駿太投手(2年)は6回を投げ9安打7失点も、4回まで緩急をつけた投球で横浜打線を2安打0点に抑えた。

「自分の球をしっかり投げれば、抑えられると自信になった。でも、5回からは変化球を見極められ、甘く入った真っすぐを打たれてしまった」と悔やんだ。

しかし、試合後の小林はどこかすがすがしい表情だった。今夏の甲子園、横浜の試合をテレビ観戦。その憧れのチームとの対戦にワクワクしていたという。「負けて悔しいですが、横浜の選手、1人1人との対戦が楽しかった。新たな課題も見つかった」と完敗にも可能性を見いだした。「横浜の及川選手の球は、真っすぐとわかっていても目の前で浮き上がって、バットに当たっても前に飛ばない。それだけ力がある真っすぐ。僕もそんな投手になりたい」と目を輝かせた。この秋は、変化球中心の投球。大会前には新たにツーシームも習得し、手応えを感じた。しかし「勝てる投手になるためには、及川投手のような真っすぐで押せるようにならなくては」と痛感。来夏に向け、この冬は体作りから取り組むと誓った。

前田芳幸監督は「小林はよく投げてくれました。横浜打線につかまりましたが、立ち上がりから落ち着いて持ち味を出してくれた。これから夏に向けてしっかり修正していきたいです」と、評価した。

秋の敗戦に、悔しさだけでなく、課題も見つけ夏への光を見いだした甲府工。新たな道を走りだす。