25日のドラフト会議での指名候補選手を紹介する「ヒーロー候補生」を連載する。第3回は奈良学園大・米満凪(よねみつ・なぎ)内野手(4年=敦賀気比)。

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高校最後の夏の背番号は「16」。4年を経て米満は、チームの主力としてドラフト候補にまで成長した。「楽しみな気持ちと不安な気持ちがあります」とその日を待つ。

敦賀気比時代は主に代走や代打での出場だった。1つ上の兄一聖さんは、敦賀気比でレギュラーとして活躍し、駒沢大では主将も務めた選手。「米満の弟や」と言われ、苦しんだ時期もあったという。「いつか抜かしたい人でした。前を走っていて野球選手として尊敬しています」。今年ドラフト候補となり、東海理化に所属する一聖さんからは「来年、俺も行くから」と言われるようになった。

米満の名を全国に広めたのは、今年6月の全日本大学選手権。初戦の立命大戦で敗れはしたが、大会タイ記録の1試合4盗塁を決め、ソロ本塁打も放つ活躍を見せた。夏には初めて大学日本代表にも選出。ともに戦った俊足のドラフト1位候補、立命大・辰己涼介外野手(4年=社)からは「盗塁の仕方を教えてくれ」とアドバイスを求められたこともある。

「大学に入った時は誰も知らない。いや、この春が始まるまで誰も知らなかったと思います」。次はプロの世界で、米満の名をアピールする。【磯綾乃】

◆米満凪(よねみつ・なぎ)1997年(平9)1月9日、大阪・堺市生まれ。日置荘西小時代に八尾フレンドで野球を始め、日置荘中でも八尾フレンドに所属。敦賀気比では1年秋からベンチ入りし2年春、3年夏の甲子園に出場。奈良学園大では1年春からベンチ入り。今夏は大学日本代表にも選出された。50メートル5秒8、遠投110メートル。170センチ70キロ。右投げ左打ち。