高校生は過去2年、野手に逸材が続いたが、19年は久しぶりに大物投手が勢ぞろいした。岩手からは菊池雄星、大谷翔平に続いて、佐々木朗希(大船渡)が登場。今夏の岩手大会初戦、盛岡三高戦で102球投げたストレートの平均球速は何と147・5キロ。最速は154キロで、150キロ超えは35球もあった。2年時にこれほど速い投手は史上初めてである。さらに井上広輝(日大三)及川雅貴(横浜)奥川恭伸(星稜)西純矢(創志学園)と速球派が続き、いずれも最速は150キロを超えている。

大学、社会人も投手に本格派が多い。高校生の迫力に匹敵するのは社会人の太田龍(JR東日本)、野村尚樹(東京ガス)、宮川哲(東芝)、緒方太地(ヤマハ)の右腕4人。とくに太田はしっかり前足をステップしてから腕を振っていくMLB式のピッチングフォームに特徴があり、ストレートの最速は153キロを計測。チームメートの西田光汰も同型のフォームから力強いストレートと縦変化のカーブ、スライダーを操る。大学生は東京6大学勢と首都大学勢に勢いがあるが、個人的に興味があるのはパナソニックの“ドカベン″片山勢三。長打力に確実性も備え、和製大砲の可能性を秘めている。(ベースボールライター小関順二)