ソフトバンク柳田悠岐外野手が日本シリーズ初となるサヨナラ本塁打を放った。同点で迎えた延長10回無死、カウント1ボールからの2球目だ。広島中崎の内寄りのスライダーを右翼テラス席へ運び去った。

振り切ったバットのグリップ上部からバットの折れた跡が見えた。しかし、気持ちが乗り移った打球は、オーバーフェンスとなった。

日本シリーズ1号だ。柳田は感激に浸るでもなく、試合後のヒーローインタビューで“もう1発”ギータ節をさく裂させた。「久々にももクロの怪盗少女が(登場曲で)流れたのでめちゃめちゃテンションが上がった。(本塁打を狙う気は)全くないですけど、はい。ないです。うわー折れたと思ったんですけど、テラス入ったんで良かったです」。ヤフオクに詰めかけた博多っ子も笑顔で柳田の頼もしいコメントに酔いしれた。

柳田は過去14、15、17年の日本シリーズに出場したが、いずれもノーアーチ。今年は第1、2戦は広島バッテリーに徹底的にマークされ、1安打に抑えられていた。バットも上昇気流に乗ってきた柳田が、故郷の広島で2年連続日本一をつかみ取る。