eスポーツのプロ野球「パワプロ・プロリーグ」が10日、東京・渋谷で開幕した。日本野球機構(NPB)が共催し、プロ12球団に3選手ずつが所属。会場のベルサール渋谷ガーデンには数百人が詰め掛け、インターネットでは1万人以上が同時接続して動画を視聴する盛況となった。

ゲーム界の二刀流選手たいじ(27)が、パワプロでもプロデビューした。任天堂のシューティングアクションゲーム「スプラトゥーン2」の世界王者で有名プロゲーマー。伝統の巨人-阪神戦、1勝1敗で迎えた第3戦に登場し、延長9回で引き分けた。

第1戦で先発した菅野を先発起用する奇襲を仕掛けた。だが、3-0から同点に追いつかれ「悔しい。勝てた試合だった。2番手の畠投手がうまく使えなくて3点を取られた。ナイスピッチが全然出せなかった」。ナイスピッチはボタンを押すタイミングが合うと、球威などが上がる技術の1つ。最近は1日11時間の練習時間のうち8時間をパワプロに充てたが、納得いく結果を残せなかった。

二刀流選手として注目を集める。「(両方)楽しくやれている。すごいことじゃない。パワプロ、スプラ両方とも会場で得るものはある。やって良かった」。両者を俯瞰(ふかん)し、課題も指摘する。「(パワプロは)オンラインの対戦相手が常時200人ぐらいしかいない。スプラは10倍ぐらい。オンラインを中心に宣伝しないと見に来ない」。ゲーム界の懸け橋となるためにも、パワプロでも活躍を狙う。【斎藤直樹】