30歳で挑む来季へ、決意を新たにした。巨人坂本勇人内野手(29)が11日、都内の球団事務所で契約更改。年俸変動制の複数年契約を結び、1億5000万円増の5億円でサインした。阪神鳥谷の4億円を超え、遊撃手史上最高年俸となり、あらためて愛着を示した。「1年でも長く、ショートというポジションでやりたい」。今季は左脇腹肉離れで7月中旬から約1カ月半離脱。109試合で自己最高の打率3割4分5厘を記録したが、年齢を重ね「正直感じる部分はある」とわずかな衰えを実感している。「トレーニングと柔軟性のいいバランスでやれれば、ケガの防止につながる」と肉体をつくり直し、存在価値が高い位置を譲るつもりはない。

だからこそ、自らに高い壁を課す。「打率3割3分以上、25本塁打」。25本以上は22歳シーズンの10年の31発が最後だが、高水準を掲げた。FA加入の丸にも「本当に刺激される数少ない年下の選手。2人でしっかり野手を引っ張っていけるように」と負けないだけの数字を残す覚悟がある。

主将の役目も5年目に突入。15年就任以降、悲願の優勝は成し遂げていない。若手にも「僕らがうかうかしていたら抜かれるなと思うくらい、やってほしい」と突き上げを求め、自らも高める。迎える成熟の30代で頂点を奪う。【島根純】

▼坂本勇が1億5000万円増の5億円で契約更改。巨人で年俸5億円に到達したのは01年松井(5億円)13年阿部(5億7000万円)杉内(5億円)に次いで4人目。球界全体では13人目で、内訳は投手5人、野手8人。遊撃手では初めで、15年鳥谷(阪神)の4億円を上回る最高額。(金額は推定)