29人枠で守護神球児復活!? 阪神矢野燿大監督(50)が15日、MBSテレビ「せやねん!」(毎週土曜日午前9時25分放送)に生出演し、来季日米21年目の藤川球児投手(38)をクローザーに固定起用するプランを披露した。質問コーナーで「抑え投手は決まっていますか」と問われると「競争ですが」と前置きした上で、本音を明かした。

「球児でいいんじゃないかな、という思いもあります。経験もありますし、球児がそこをやるっていうふうに、自分で自分にプレッシャーをかけている。状態さえ良ければ」

藤川自身が「クローザーを目指して」と意気込む。日米通算227セーブで、球団史上最多のNPB通算225セーブを誇るベテラン藤川のクローザー復帰が現実味を帯びてきた。後押しするのは球界の新制度だ。来季から、1軍戦に出場できる出場選手登録の人数が1人増の29選手に拡大。ベンチ入り25人は変わらないが起用法に幅ができる。矢野監督は「球児を休ませるとか。球児がストッパーをやっているなかで(登録抹消した場合の再登録までの)10日(不在)ならしんどいけど、29人目が戦力でいてくれるのは発想の広がりがある。使い方によっては大きな1枠」とうなずいた。

例えば、守護神藤川が連投で疲れが見えれば次戦をベンチ外として、プラスワンの救援投手をベンチ入りさせるなど、選択肢は増える。今季も53試合登板で5勝3敗2セーブ、防御率2・32と健在だ。12年以来、7年ぶりの守護神本格復帰に向けて、追い風になる。

▼80年生まれの藤川は来季39歳になる。過去、39歳以上のシーズンに20セーブ以上は、39歳の12年に26セーブした薮田(ロッテ)と39歳の13年に36セーブ、40歳の14年に20セーブの岩瀬(中日)しかいない。薮田はメジャーから10年にロッテへ復帰して11年に31セーブ、12年に26セーブを挙げたが、藤川もメジャーからの復帰組。来季、藤川が20セーブすれば12年(24S)以来7年ぶり、30セーブすれば11年(41S)以来8年ぶりとなる。20セーブのブランクは96→01年成本(阪神)の5年ぶり、30セーブは今季の増井(オリックス)ら6人の3年ぶりが最長だが、藤川がストッパーに戻ってブランク記録を更新できるか。