広島は7日、FA移籍した丸佳浩外野手(29)の人的補償として巨人長野久義外野手(34)を獲得することが決まったことを発表した。

広島は昨年12月12日、プロテクトされた28人以外で獲得が可能な選手名簿を受け取ったと明かし、人的補償の人選については熟考する姿勢を示していた。年明け4日に希望選手を確定させ、巨人球団の仕事始めのこの日に提出。鈴木球団本部長は「リストの中で一番いい選手を選んだ。いろんなことを精査して長野選手にした。まだ数年は輝ける」と期待する。

長野は06年のドラフト会議で日本ハムに指名されたが、巨人入りを熱望して、社会人のホンダ入り。08年の同会議でもロッテから指名されたが、再び入団を拒否して、09年にドラフト1位で巨人に入団した。巨人入りまでの経緯が、獲得を悩ませる材料にもなったが、松田球団オーナーは「どうしても4連覇、日本一にという思いがある。育成がまだ間に合っていない部分もある。現場が決めることだが、現実的に3番を打てる選手」と決断した。巨人球団を通して「カープに選んでいただけたことは選手冥利(みょうり)に尽きます」というコメントに「それは良かった」とうなずいた。

広島は丸が抜けた外野手だけでなく、現役引退の新井貴浩氏(41)が抜けた代打の切り札も補強ポイントでもあった。若手の台頭に期待しつつ、主力級の力を持った選手獲得を求めた。長野は昨年、9年目で初めて規定打席に届かなかったものの、116試合に出場し、打率2割9分、13本塁打、52打点。鈴木球団本部長は「9年連続で100安打を打てる選手はうちにもいない」とその実力を認める。

獲得の一報を聞いた緒方監督は球団を通して「今年のリーグ優勝、4連覇、そして日本一へ向けて大きな戦力になってくれると期待しています」とコメントを発表した。