永遠のライバルへの対抗心を隠さなかった。東京6大学リーグの慶大が4日、横浜の下田グラウンドで始動した。練習開始前、大久保秀昭監督(49)はチームミーティングを開き、今年の目標を示した。

「早稲田に連勝して優勝!」

「早慶戦」の呼び名があるとおり、慶大にとって、早大が宿敵の相手であるのは言うまでもない。特に、昨秋は最終カードの早大戦を1勝2敗で落とし、リーグ戦3連覇を逃した。1勝1敗で迎えた第3戦は、1点リードの9回1死から逆転負け。勝ち点を逃し、勝率の差で法大に優勝を奪われた。

翌日、選手たちで話し合い、右中間後方のネットやブルペンに敗れた試合のスコアを掲出。悔しさを忘れず、この冬も各自が鍛錬を重ねた。そういう選手の思いを、大久保監督は痛いほど感じている。「早稲田に連勝して優勝」の目標を達成するためのキーワードとして、

「5FW」

と示した。さまざまな意味を込めた。

大久保監督 「5F」は、Family(家族)、Fair Play(フェアプレー)、Fundamental(基本の)、Face(顔)、Fighter(ファイター)。「5W」は、What、When、Why、Where、Who。何をやる? いつやる? なぜやる? どこでやる? 誰がやる? と選手にも、私自身にも問いかけるためです。Win5でもある。勝ち点5ってこと。競馬ではありませんよ(笑い)。さらに、Wasedaに5連勝。春秋の4連勝に、夏のオール早慶戦も含めてです。「W」は「V」「V」(=春秋2連覇)だし、Wayという意味もある。Keio Way、My Wayです。

指揮官の右腕として、OBの竹内大助氏(28)が助監督に就任した。昨年までトヨタ自動車でプレーした新助監督は「意識すれば誰でもできることを徹底したい。プレーだけでなく、人としても。あいさつだったり、カバリングだったり、全力で練習することだったり。誰でもできることの積み重ねが、最後はつながると思います」と意気込みを語った。大久保監督も「経験を還元して欲しい」と期待していた。【古川真弥】