矢野阪神の秘蔵っ子は2軍セーブ王や!! プロ8年目の阪神伊藤和雄投手(29)が20日、実戦に近い打撃投手を務め、主力相手に力投した。

先頭ナバーロをチェンジアップで空振り三振。再戦でも内角高め速球で空振りさせた。福留を速球で見逃し三振に封じるなど打者と7度対戦で、安打性はわずか1本だった。

矢野監督は「いいと言うてるやん!! 今日もラインを間違えないで投げられる。球の質はいいし、真っすぐでもチェンジアップでも空振りを取れている」と高評価した。クローザーを競う藤川、ドリスの後に投げてもひけを取らない。

指揮官は「自分の球をしっかり投げきれて打者の反応は、和雄の方が上をいっていた感じ」と続けた。昨季は2軍監督として守護神を任せ、20セーブで戴冠。過去7年で1軍登板は35試合にとどまるが、救援陣は高齢化し、期待は大きい。

「勝ちパターンでいろいろな駒が増えていけばバリエーションは広がる。俺らの頃なら、桟原やナベ(渡辺)や江草やハシケン(橋本)とかが投げてくれて勝ちを拾う、接戦で粘って結果的に逆転する試合もあるし、大事なポジション」

05年優勝に貢献した接戦の継投「SHE」になぞらえた。伊藤和も「中継ぎをやっている以上、大事な場面で投げたい」と武者震いした。【酒井俊作】

 

◆伊藤和雄(いとう・かずお)1989年(平元)12月13日、埼玉県生まれ。坂戸西-東京国際大。4年時の大学選手権で元広島・古葉監督が率いる初出場のチームを4強に導いた。11年ドラフト4位で阪神入団。13年11月に育成で再契約。背番号は17から117に変更。14年4月11日に再び支配下登録され背番号92。昨季は14試合に登板。186センチ、95キロ。右投げ右打ち。

▽阪神ナバーロ(伊藤和に3打席で安打性1本)「積極的にゾーンに投げていた。攻めの投球をしていた。しっかり強い球を投げている。いい投球をしていた」