ソフトバンクの絶対的守護神デニス・サファテ投手(37)の開幕1軍が、厳しい見通しとなった。サファテは18日、福岡・筑後市のファーム施設での先発投手の練習に参加。「(状態が)ひどいから来た。昨日(17日)、132キロの直球を中学以来投げたからね」。17日のオープン戦・ヤクルト戦で、最初の打者2人に投げた直球3球は132~134キロ。最速159キロの自慢の直球が、自称中学生レベルまで落ちている。

この日は10メートルより少し先に置いたコーン目がけ、ワンバウンドの球をたたきつけた。高村投手コーチから教わった練習方法で、左肩が開き、体より後ろで遅れているリリースポイントを前にするように修正した。

「デニスさん、チキン」と日本語で話すほど少し弱気になっている。「股関節を手術して11カ月投げていなくて、数試合ですごい投球ができるなら、いろいろ質問したい。その人はスーパーマンだね」と、ブランクの長さを実感している。

オープン戦の登板予定はあと2回。倉野投手コーチは「今の状態では厳しい。何かがきっかけで劇的によくなることを期待している」と話した。9回を任せられないのであれば、中継ぎではなく開幕1軍から外す考えだ。サファテ本人も「開幕1軍のつもりだが、昨日(17日)のような投球をしていては、ないのかな」と覚悟している。

外国人枠は4。デスパイネ、グラシアルの野手2人、先発ミランダは当確。中継ぎ左腕モイネロ、先発右腕スアレスが好調なだけに、復調しなければサファテが外れる可能性が高い。その場合、守護神は森になる。19日に家族が来日。「ジェイダさんはメンタルコーチ」と夫人の来日をプラスに。21日楽天戦は大事な登板となる。【石橋隆雄】