首位を走る東洋大が完全優勝に王手をかけた。立正大3回戦は、1-1の9回1死二塁で途中出場の津田翔希内野手(4年=浦和学院)が右前にサヨナラ打を放った。勝ち点を4に伸ばし、最終週となる次週の亜大戦で、16年秋の日大以来となる勝ち点5での優勝がかかる。

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津田は相手の勝負球を、したたかに狙っていた。9回1死二塁で最初の打席が回ってきた。「チェンジアップがウイニングショット。絶対、1球は来る。ベンチでタイミングを合わせてました」。1ボールからの2球目で来た。立正大・糸川から右前へサヨナラ打。他の選手が崩されていた抜き球を、しっかり引きつけて逆方向へ運んだ。

開幕当初は先発で三塁を守ったが、打撃がふるわず、ここ4試合はベンチスタートだった。この日は7回に二塁打を放った諏訪が右足をつったため、8回から代わって「小学生以来」という一塁に入った。ミットは諏訪から借り、2度の守備機会を無難にこなした。「一塁は練習でもやったことがない。ランナー出ないでくれと思ってました」と笑いながら振り返った。

緊急事態にも、マルチの働きでチームを救った。杉本泰彦監督(59)は「このところ控えだったけど、本当にいい仕事をしてくれた」とねぎらった。これで、開幕から4カード連続勝ち点奪取。亜大との最終週は、勝ち点5の完全優勝に期待がかかる。津田は「自力があるのは東洋だけ。打線を改善すれば、亜細亜にも勝てる」と次戦へ目を向けた。【古川真弥】