右ふくらはぎの筋挫傷で2軍調整中の阪神福留孝介外野手(42)が復帰戦で快音を響かせた。ウエスタン・リーグ広島戦(淡路)に「5番指名打者」で先発出場。5回に三遊間を破る左前打を放ち、最短での出場選手登録が可能となる11日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)での1軍復帰が見えてきた。甲子園の「日本生命セ・パ交流戦」では日本ハムに連敗して、黒星先行の2勝3敗。踏ん張りどころのチームには頼りになるベテランが必要。ドメさん、早く帰ってきて~

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大ベテランが復帰戦で快打&激走だ。2打席連続三振で迎えた5回の3打席目。志願して立った打席で福留が、さすがの集中力を見せた。カウント1-2から広島ローレンスの4球目、外角のボールにバットを合わせた。鋭い打球は三塁方向に飛び込んだ遊撃小園の横を抜けて左前にはずむ。詰めかけた淡路島の虎ファンがドッと沸いた。

1日に右ふくらはぎの筋挫傷で出場選手登録を抹消されたが、この日は試合前に外野の位置でノックを受けるなど軽快な動きを見せた。5回の快音後は、一塁を駆け抜けてからも代走を送られることなくそのまま出場。平田2軍監督も「足の状態を確かめたかったんやろ。問題ない。さすがやね~」と絶賛だ。福留は状態について「知りません! ノーコメント」とけむに巻いたが明るい表情が、順調な回復ぶりを物語る。

甲子園の1軍は0-2の7回に日本ハム渡辺に満塁本塁打を浴びるなど7失点して、大勢を決められた。打線の反発も遅く、連敗。重いムード中、福留の結果を伝え聞いた矢野監督は「今日、試合に出られて走れたのは、すごく前進したと思う」とし、「孝介がいてくれるのは、ベンチ全体にとっても野球勘が鋭かったり、俺らの見えない部分を見てくれたり。俺の気持ちの中でも早く戻ってきてもらいたいのは正直なところ」と必要性を熱く説いた。

待望論は高まる。チームは福留を欠いてから3勝4敗と黒星が1つ先行。順位も2位から3位に後退した。勝負どころを知るベテランがいればと誰もが思う。今日9日の広島戦(淡路)では、左翼守備にも就く予定だ。10日の博多便に飛び乗って11日ソフトバンク戦で最短1軍復帰-。今日の淡路島が「最終チェック」となる可能性は十分にある。【桝井聡】