「令和」の幕開けを告げる、新たな伝説を作る。日本ハムのルーキー吉田輝星投手(18)が、デビュー戦となる12日「日本生命セ・パ交流戦」広島戦(札幌ドーム)で、強気の勝負を誓った。

お手本は「平成の怪物」と呼ばれた西武松坂大輔投手(現中日=38)のデビュー戦だ。高卒新人ながら8回2失点、9三振を奪った堂々たる姿に「そういうイメージでマウンドに上がりたい」と意気込みを口にした。

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本番が近づくにつれて、注目ルーキーの表情が引き締まってきた。日本ハム吉田輝は「マウンドでは強気を崩さずに、しっかり投げられたらいいなと思います」とデビュー戦となる12日広島戦へ思いをはせた。

大の負けず嫌いで、注目されるのは大歓迎というスター気質。昨夏、金足農(秋田)を率いて全国準優勝を成し遂げた右腕は、周囲の盛り上がりを楽しんでいるようにさえ見える。99年、高卒新人ながら最速155キロの直球を堂々と投げ込み鮮烈デビューを飾った西武松坂を手本に「気持ちは、そういうイメージでマウンドに上がりたい」と、新伝説の青写真を描き、モチベーションを高めた。

相手はセ・リーグの王者、広島だ。当日の相手先発はセ最多勝の大瀬良が予想されるが、それが一層、18歳のハートを刺激する。「点を取られないようにしないと勝利は近づかない」と覚悟を口にした上で「格上のすごい投手ですが、誰にでも負けるのはイヤ。負けないという気持ちは、しっかり持っていきたい」と、強烈な負けん気をのぞかせた。

10日は休養日で、11日は本番へ向け、本拠地の札幌ドームで最後の調整に臨む。前売りチケットの売り上げは好調で「たくさん見に来てもらったほうが気合も入るし、自分の全力を出しやすい」。地元秋田からは、両親も応援に駆けつける予定。多くの人の記憶に残り、語り継がれる投球で、プロ人生の1歩を刻む。【中島宙恵】

◆松坂のデビュー戦 西武1年目の99年4月7日、日本ハム戦(東京ドーム)で先発。1回に155キロで片岡から空振り三振を奪うなど、6回1死まで無安打。8回5安打、9奪三振、2失点で勝利投手になった。水曜日のナイターに観衆4万4000人。当日券売り場には午前5時半から人が並び、外野当日券売り場では徹夜組も出た。