ロッテで活躍した愛知工大の平井光親監督(52)が全国1勝を挙げた。愛知工大の白星は92年以来27年ぶり。

17年1月に母校の監督に就任。春の愛知リーグで優勝、23年ぶりの全日本選手権出場を果たした。投打がかみ合っての快勝で、ウイニングボールを選手から受け取ると「ただ、うれしいだけです」と笑った。

当時のパ・リーグで慣れ親しんだ東京ドームだが、指揮は当然初めて。「好きな球場なんでね。やりやすいです」とベンチでも落ち着き払っていた。

ロッテでは打撃職人でならしたが、指導で特別なことはない。センター中心に強く打ち返すよう説いてきた。各打者はコースに逆らわずヒットゾーンに打球を運んだ。「センター返しと、先制点を取ろうと話していた。みんながよくやってくれた」と目を細めた。

選手を見る目は確かだ。7番DHで起用した田中怜央那捕手(2年=神村学園)が2回、左越え2ラン。打ち上げるくせがある右打者の田中に対して、ベンチから「強くたたけ」と繰り返し叫んでいた。大学2号という田中は「夢のようでした。(監督の教えは)分かりやすい。プロではこうだったという助言もくれるけど、僕自身のやり方と合わせて、やらせてくれる」と感謝した。