7年ぶり8度目出場の八戸学院大(北東北・青森)が、3-0とリードの9回裏2死満塁から4失点し、大逆転負けを喫した。

先発の最速148キロ右腕・大道温貴(3年=春日部共栄)が佛教大(京滋)打線から10奪三振の好投を見せたが、9回は安打と2四球で満塁。リーグ戦では何度も成功した左腕・中道佑哉(3年=八戸学院野辺地西)への継投だったが失点。最後は本塁封殺で延長突入かと思われたが、捕手の走塁妨害の判定で試合が決した。

リーグ戦では10連覇中だった富士大を破って、久しぶりの大舞台だった。過去には同大会で3度、佛教大と対戦して全勝。勝てばすべて8強進出以上の“幸運な相手”に、大きな1勝を逃した。

だが、秋に向けた収穫もあった。「4番DH」武岡大聖外野手(3年=生光学園)が2回に左中間に公式戦初本塁打を放つと、4回にも右翼席上段へ2打席連発。弟は昨夏、今春と甲子園出場の八戸学院光星(青森)武岡龍世内野手(3年)だけに「いつもあっちばかり目立っているので、うれしいです」。巨人阿部慎之助捕手(40)の大ファンだけに「東京ドームで打てたことも最高です」と笑顔を見せた。大道、中道の両投手を含め、全国舞台での経験値は加わった。【鎌田直秀】

▽八戸学院大・正村公弘監督(56=勝利目前での悲劇に)「投手の交代が遅れちゃったのが敗因です。武岡のホームランを生かして勝たせてあげたかった。すべて僕の責任」

▽巨人高橋(昨年までエースを務めた母校八戸学院大の試合を観戦)「後輩たちの頑張りは、刺激になる。僕も早く1軍に戻って頑張らなきゃいけないと思わせてくれます。こんな良い舞台で野球ができていることに感謝の気持ちを持って野球をしてほしい」