巨人坂本勇人内野手が大逆転劇への幕を開けた。

0-7と大差を追う4回1死。ヤクルト小川の内角低めに沈むチェンジアップに、タイミングを外されながらもバットを合わせた。左翼席へ18試合ぶりの1発となる30号ソロ。「うまくバットに乗せられた。もっと打てるように頑張ります」とリーグ単独トップ、10年以来9年ぶりの大台に乗せる1発で逆襲への号令をかけた。

主将として苦しむチームをバットで鼓舞し続けた。黒星が先行する後半戦は94打数31安打、打率3割3分と好調をキープ。岡本に代わり4番も担った。試合前の打撃練習を行わず、コンディション調整に努め、万全の状態で名古屋からの移動ゲームに臨んだ。

ラストシーンも存在感を示した。先頭の延長10回には右翼フェンス直撃の二塁打で出塁。亀井の左犠飛でサヨナラのホームを踏んだ。「すごく盛り上がりましたし、点差が離れても巻き返せるチームだと再認識できた。いいきっかけになればいいですね」。1つになったチームに充実感を漂わせた。【桑原幹久】