ハマの「小島よしお」が、うなだれるように、マウンドを降りた。ベンチに戻ったDeNA井納翔一投手(33)は悔しそうに、試合の行方を見つめた。

広島打線には、自身のこん身の投球は“ウケ”なかった。2回に内野ゴロで先制点を許すと、3回には西川に右翼スタンド上段へ1発を浴びた。“相方”とのミスも、大きく響いた。同点となった5回。バッテリーを組んだ戸柱と、2度の暴投を記録。そのうちの1つが、適時打へつながった。結果的に4回2/3を5安打3失点で降板。勝利をつかむことはできなかった。

7月15日広島戦(横浜)以来となった復帰“舞台”。2軍調整中には、自身の武器である直球を磨いてきた。本人いわく、キューバ方式の調整。「とにかくコントロールを気にせず、強く腕を振ることだけを意識して。チャプマンもだから、あれだけ速い球を投げられる」。ヤンキースの最速169キロを誇るクローザーの例を挙げ「外国の人はとにかく遠くまで投げることを意識しているから、肩が強い人が多い」。1軍に呼ばれるためにも“舞台袖”で汗を流し、チャンスをつかんだが、結果を残せなかった。

「本家」の応援も、好投にはつながらなかった。試合前、お笑い芸人の小島よしおが、セレモニアルピッチに登板した。一部から目鼻立ちのくっきりした顔がそっくりと言われる2人。小島よしおは9連戦の最後を4連敗で終えたチームに対して「今シーズン、DeNAベイスターズは浮き沈みがある印象があり、僕の芸人人生と重なる部分もありますが(笑)『谷あれば必ず山あり』の精神で頑張っていただきたいです」とエールを送ったが、井納とシンクロすることはなかった。【栗田尚樹】