珍しい“いとこ始球式”が実現した。

始球式に平昌オリンピック(五輪)のスピードスケート女子団体追い抜き金メダリスト佐藤綾乃(22=ANA)が登場。打席に向かったのは、いとこの西武佐藤龍世内野手(22)。スタメンではなかったが、バットに滑り止めスプレーを吹きかけるなど本気モードで異例の打席へ。ワンバウンドのボールに空振りして、いとこの綾乃の晴れ舞台に花を添えた。

大役を終えた綾乃は「すごく楽しかったです。緊張しましたけど、楽しんで投げられました」と笑顔。龍世との“対戦”については「今後、あるかないかという機会だったので、複雑というか、驚きというか…。変な感じでした。私は金メダルを取って、龍世はプロ野球選手になった。お互いに夢をかなえて、こういう瞬間が訪れたので、親孝行できたかなと思います」と振り返った。

龍世は試合前に綾乃が始球式をすることを知って「まさかこんなことになるなんてビックリです。試合前に聞いて驚きました」と話していた。始球式直前には久しぶりに談笑するなど、近況を報告しあったという。ともに釧路に近い厚岸町出身。親類も駆けつける中で実現した夢のような瞬間に、来場したファンからも大きな拍手が送られていた。