PL学園が甲子園に帰ってくる。高校硬式野球部OBチームで争う「マスターズ甲子園」大阪府予選の代表決定戦が行われ、初参加のPL学園が春日丘に11-5で勝利した。桑田真澄氏(51=野球評論家)ら歴代OBの力を結集させ、甲子園切符を手に入れた。

母校のユニホームに袖を通し、校歌を歌う桑田氏の目頭は熱かった。「涙が出そうになりました。高校時代のことを思い浮かべると、本当にいい高校時代を過ごしたなと」。仲間と聖地を目指した過去が重なった。

エースの貫禄は健在だ。「4番・投手」で先発出場。マウンドに上がれば歓声に包まれた。「50歳過ぎてますし、いろいろなところが痛くて、言うこと聞かないけど、ベストつくせました」。2死から左前安打されたが、次打者を代名詞のカーブで空振り三振。1回で降板し、客席から「もう投げへんのか」と惜しまれる姿は、ファンの心をいまだに離さない証だった。

甲子園は、2度の全国制覇を経験し、清原和博氏とともに「KKコンビ」として日本中を沸かせた、切っても切り離せない場所。「PLと甲子園に育てられた。甲子園で精いっぱいプレーしたい。(当日は)何とか(予定を)調整したいと思います」。

「PLの桑田」が、34年ぶりの甲子園へ。初戦は11月9日、利根商(群馬)と対戦する。甲子園の人文字の元祖とも言われるPL名物・人文字応援も実施予定。応援には一般ファンの参加も計画しており、窓口も設けられる予定という。

▽中村順司総監督(72)「うれしいですね。僕が教えた選手たち、卒業生が一体になってベンチで声を掛け合っていた。春日丘は頭を使った野球をするイメージがあったけど、良い試合ができた。気持ちが1つになっていた」

▽清水哲監督(52)「負けられないプレッシャーがあった。なんとか優勝して代表になれたことが良かった。(桑田は)気合が入っていた。特別な場所で一緒に野球がきるのは楽しみです」