ヤクルトの小川淳司監督(62)が、自身の去就について球団に進退伺を出していることが7日、明らかになった。同日の巨人戦(神宮)に敗れ、残り13試合でクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が完全に消滅。最下位に低迷する状況が続き、衣笠剛球団社長兼オーナー代行(70)に責任を取る意向を伝え、判断を委ねた。次期監督の最有力候補とみられていた宮本慎也ヘッドコーチ(48)も、最下位の責任を取り退団の意向を固めていることが分かった。

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小川監督が、チームが最下位に沈む責任を取るため球団側に進退伺を出していた。シーズン中から、衣笠球団社長兼オーナー代行とは定期的に直接会って話している。ペナントレース終盤に入って、辞任するべきとの考えを伝えた。

7日の巨人戦に敗れ、CS進出の可能性が完全に消滅した。試合後は「それは、残念ということだけです」と淡々と話した。今季が2年契約の2年目。シーズン序盤は首位に立つなど好調だったが、5月から6月にかけて球団ワーストタイの16連敗を喫するなど失速。故障者が相次ぐなど浮上のきっかけをつかめないでいる。昨季の2位から優勝への期待が高まる中での低迷に、自身の去就を委ねた。

来季の監督人事について、衣笠球団社長は「まだ残り試合もある。9月中旬をめどに進めていく」と明かしている。次期監督の最有力候補とみられていた宮本ヘッドコーチは、既に辞任する意向を固め、退団が決定的となった。18年から同職に就任したが「監督を1番にサポートするのが僕の役目で、それが十分にできなかった。ヘッドコーチで入閣したときから、チームの成績がダメなときは辞めるつもりだった」と話し、意思は固いとみられる。

球団側が、小川監督に続投を要請する可能性は十分にある。10年に監督代行を務め、その後4年間指揮を執った。15年に球団のシニアディレクターに就任。昨季から監督に復帰した。球団ワーストのシーズン96敗を喫した17年から、1年で2位まで押し上げた。今季は村上宗隆内野手(19)の力量を認め、辛抱強く起用し開花させるなど、手腕を評価している。

小川監督が辞任した場合の後任候補としては、OBが挙がるとみられる。今季のチーム防御率は4・68でセ・リーグワースト。投手陣の立て直しが急務で、高津臣吾2軍監督(50)は整備に定評がある。強打の遊撃手として活躍した池山隆寛氏(53)もコーチ経験が豊富だ。

◆小川淳司(おがわ・じゅんじ)1957年(昭32)8月30日生まれ、千葉県出身。習志野3年時に春夏連続で甲子園に出場し、夏は優勝投手。中大で外野手に転向。河合楽器を経て、81年ドラフト4位でヤクルト入団。92年、トレードで日本ハムに移籍し、同年引退。93年にスカウトでヤクルト復帰。96年からコーチ、2軍監督などを歴任。10年5月から高田監督の代行を務め、11年に正式就任。14年の退任後は球団のシニアディレクターを務め、18年監督復帰。186センチ、93キロ。右投げ右打ち。