ヤクルト館山昌平投手(38)が、今季限りでの現役引退を決意したことが8日、分かった。球威と制球力を両立させたサイドハンドとして、長く先発の軸として君臨。たび重なるケガを乗り越えてプロ17年目を迎えたが、今季は登板は6月の1試合にとどまっていた。9日にも球団から正式に発表される見込みだ。

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また1人、松坂世代の投手が引退を決めた。度重なる肩や肘のケガを受け止め、手術とリハビリを何度も乗り越えてきた館山。15年7月11日のDeNA戦(神宮)で、1019日ぶりの白星をマーク。16年4月に、右肘関節の遊離体摘出とクリーニングの手術を受け、同年7月22日中日戦(ナゴヤドーム)で勝利。この白星が現役最後となった。

今季はイースタン・リーグで19試合に登板して4勝5敗。8日もイースタン楽天戦(石巻)に先発。4回2/3を被安打8の6奪三振、4失点で降板した。1軍では6月12日楽天戦(楽天生命パーク)に先発。3回を被安打5の3失点(自責2)で敗戦投手になっていた。

多彩な変化球を操りながら、強いボールで押せる変則右腕として活躍した。09年には16勝を挙げ、最多勝に輝いた。一方で故障に苦しみ、17年間で10回以上も体にメスを入れ、3度のトミー・ジョン手術も受けた。100針以上を縫いながら、コーチ陣も驚くほど医学やリハビリを勉強。壁を乗り越えるたびに強くなって、マウンドに戻ってきた。畠山も現役引退を決意。ヤクルトに転換期が訪れている。

◆館山昌平(たてやま・しょうへい)1981年(昭56)3月17日、神奈川県厚木市生まれ。日大藤沢-日大を経て02年ドラフト3巡目でヤクルト入団。08年最高勝率、09年最多勝。08~12年まで5年連続で2桁勝利。13年にトミー・ジョン手術を受け、14年は登板なし。15年は6勝を挙げてリーグ優勝に貢献し、カムバック賞。今季推定年俸2400万円。181センチ、98キロ。右投げ右打ち。