侍ジャパン稲葉篤紀監督(47)が“地球1周行脚”を敢行する。9日、1週間の韓国視察から帰国。来年3月の東京オリンピック(五輪)出場をかけた米アリゾナでのアメリカ大陸予選、同月の台湾での大陸間最終予選も視察を決めた。

これまでの海外視察も含めると、地球1周4万キロを優に超える5万キロ以上の旅を経て、母国での五輪に臨む。「どれくらい見るかは大会規定が出てからになるが、しっかり見ていきたい」と労をいとわず、世界を股に掛ける。

これまでの代表では、各球団から派遣された専属スコアラーが役割を担っていた。だが五輪はシーズン中で派遣が難しい。先乗りスコアラーの任を首脳陣自らが務める。指揮官を始め、建山投手コーチ、井端内野守備走塁コーチで分析。「専門の人も欲しいが難しい。コーチ陣全体で補えれば。村田バッテリーコーチもスコアラー経験が豊富。金子ヘッドコーチも(現役時の)アテネ五輪でDVDを山ほど見て相手のクセを探して知恵熱が出たぐらい(笑い)」。各球団に所属する代表コーチも、大会前に代表合流時は優秀な「007」に変貌する。

一息つく間もなく18日からイタリアでの欧州・アフリカ予選へと旅立つ。3試合を見て全6チームを網羅し、開催国の日本以外では世界最速で出場国が決まる大会を見守る。「1枠決まるので、しっかり見ておく。どういう編成でどういう野球をするのか自分の目で確認したい」。グレートジャーニーを歩み、栄光の金メダルを最終ゴールとする。【広重竜太郎】