ソフトバンクが、11日からの2位西武との首位攻防2連戦(メットライフドーム)にダブルエースを投入して連勝を目指す。工藤公康監督(56)は初戦に中7日で11勝の高橋礼投手(23)、2戦目は中5日で12勝のノーヒッター千賀滉大投手(26)を先発させる。2位西武とのゲーム差は0・5。今季最後の直接対決でライバルをたたいて優勝マジック12を点灯させ、一気のカウントダウンに持ち込む作戦だ。

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決戦を前に、工藤監督は気合十分だった。「意識はありますよ。当然。選手も気持ちが入るし、僕も大事だと気持ちが入る。今季ここまで(高橋礼、千賀の)2人が頑張ってきた。自分の力が出せるように楽しんでほしい。すべてのボールを打てる打者はいないんだから」。満を持して投入するダブルエースに山賊狩りに期待を寄せた。

初戦の高橋礼は今季西武に4勝1敗、防御率2・70の好相性だ。ヤフオクドームで最終調整を終えたサブマリンは「気負わずにいつも通りやれることを。西武打線は1番から9番まで切れ目がない。全員と全力で勝負する」と平常心で挑む。西武4番の中村には打率5割5分6厘、2本塁打、2打点と打たれているが「苦手意識はない。しっかりコースに投げきれて、攻めれば抑えることができる」とひるまず立ち向かう。森は10打数1安打、外崎は13打数1安打、山川は12打数1安打と抑え込んでいるだけに、おかわり君封じがカギを握る。

前回3日の楽天戦では直球が140キロを計測。ここにきて、直球の切れが戻ってきた。9月とはいえ、屋根の吹き抜けから外気が入るメットライフドームは湿気が多くて暑い。「汗をかくので、汗で手が滑る時は握りを変えたりしたい」。失投対策もインプット。「声援の声が大きいから嫌いじゃない」。旗を振り、球場が揺れるようなレオ党の声援も味方につけるプラス思考で挑む。

ノーヒッター千賀も「楽しみです」と大一番を心待ちにする。今季の西武戦は4試合で1勝2敗と苦戦。特に直近の8月に2連敗しているが、首脳陣は中5日であえて、西武との今季最終戦を託した。

昨年の同じ時期、9月15日からのメットライフドームでの西武3連戦で3連敗。3・5ゲーム差の2位から首位へ肉薄するはずが、たたきのめされ、リーグ2連覇が遠のいた。今年は首位の立場で、逆転優勝を狙う西武をたたきにいく。まずは今日、優勝マジック12を点灯させ、リーグV奪回へ突き進む。【石橋隆雄】

◆ソフトバンク18年9月のメットライフドーム(6試合) 3・5ゲーム差の2位で迎えた9月15日からの3連戦で3連敗し、西武に優勝マジック11を点灯させた。15日はエース千賀が7失点KO。16日は練習中に西武選手のフリー打撃の打球が柳田の頭部を直撃して病院へ搬送。17日には遊撃今宮が守備で左足太もも裏を負傷するなど故障者も続出し、V逸の要因となった。6ゲーム差で迎えた27日からの3連戦も2連敗したが、最終戦でミランダが好投。9番松田宣が2本塁打を放ち西武の胴上げを阻止。メットライフドームで行われた10月のCSファイナルステージで西武を倒す景気づけの勝利となった。