広島が中日に逆転負けで、クライマックスシリーズ(CS)2位争いから1歩後退した。先発床田寛樹投手(24)は6回2失点。同点の7回から勝ちパターンで登場する救援陣が0封リレーでつないだが、延長10回に5番手カイル・レグナルト投手(30)が京田に痛恨の決勝ソロを浴びた。2位DeNAとのゲーム差は再び1に拡大。残り9試合。CS本拠地開催をかけ最後の踏ん張りどころだ。

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痛烈なライナーが右翼スタンドに突き刺さった。マウンドのレグナルトは、ぼうぜんと立ち尽くすしかない。2-2の延長10回、先頭の京田に勝ち越しソロを浴びた。9月6日に2軍から復帰したばかり。「リフレッシュできたよ」と話していたが、救援陣がつないだ0封リレーを途切れさせた。「ふがいない気持ちでいっぱいだ」。反撃及ばず、1点差で敗れた。

必死の投手リレーだった。3戦連続中5日での先発となった床田は、毎回走者を背負いながら、6回を8安打2失点にまとめた。2-0の5回に2四球と2安打で同点に追いつかれたが、なお2死一、二塁のピンチで4番ビシエドを三ゴロ。粘りの投球で勝ち越しを許さなかった。8月24日に2軍から復帰して以降、4戦連続してクオリティースタート(6回以上で自責点3以下)を達成。「中継ぎ陣に負担をかけないためにも長い回を投げたい」と、必死に腕を振っていた。

同点の7回からは、勝ちゲームで投入されるリリーフ陣が次々と登場した。7回は中村恭が1番からの好打順を3者凡退。8回は51試合目の菊池保が負けじ4番以降を3者凡退。左右のセットアッパーがお膳立てし、登板62試合目となる抑えのフランスアにつないだ。9回はそのフランスアが走者を許しながら無失点。1死二塁で代打藤井に3ボールとなったが、最後は155キロで空振り三振に仕留めた。続く大島も凡退させ、ここまでは想定通りだった。

痛恨の延長逆転負け。2位DeNAを逆転するチャンスで、逆に1ゲーム差をつけられた。緒方監督は「ピッチャーもがんばって接戦に持ち込んだ中で、あと1点、先に取らなければという試合だった」と振り返った。残り試合が1桁となる中、前だけを見て戦うしかない。【村野森】

▽広島床田(6回2失点も)「無駄な四球から点を取られてしまった。そこは反省したい」