2位浮上が逃げた。広島は首位巨人とのシーズン最後の2連戦初戦で投打に精彩を欠き、力負けを喫した。先発九里が立ち上がりから失点を重ねると、攻撃陣も先発山口ら巨人投手陣に1得点止まり。単独2位浮上のチャンスを逃し、2位DeNAに0・5ゲーム差。首位巨人とのゲーム差も6に広がった。クライマックスシリーズ(CS)で再戦の可能性もある首位巨人に、14日は勝ってシーズンを終えたい。

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追う立場の広島が自滅から敗れた。先発九里が4回までに4四死球を与え、3失点。あっさりと試合の主導権を巨人に渡すと、7回も20歳の遠藤が2者連続四球から自らボークを記録するなど2失点で試合の大勢が決まった。8回まで5投手で163球を費やす重い空気。攻撃陣にもリズムが生まれなかった。先発山口に5回までに9三振を喫するなど、4安打1得点。投打に力負けした首位巨人の背中がさらに遠くなった。

九里は1回1死一、二塁から岡本に先制打を浴びると、3回は2死満塁から押し出し死球。4回にも1点を失った。立ち上がりから球数を要し、4回90球で降板。失点はいずれも四死球が絡んだ。緒方監督は「反省を生かし切れていないよね」と今季何度も繰り返された失点パターンに首をひねった。

首位巨人とのゲーム差が6に広がっただけでなく、試合のなかった2位DeNAには0・5ゲーム差となった。開幕から苦しい戦いが続く今季も、残り8試合。逆転優勝の望みが薄れても、まだ2位浮上の希望はある。緒方監督は「先のことは考えていない。シーズンの残り試合も少ない。目の前の試合に全力で戦っていく」と前を向く。過去3年とは違い、広島は上位争いに食らい付く立場。逃げる立場ではない。14日、レギュラーシーズン最後の対戦となる巨人とはCSでの再戦の可能性がある。攻める姿勢を前面に、勝って終わりたい。【前原淳】

▽広島迎打撃コーチ(巨人山口に4安打1得点10三振)「相手の出来が良かった。カウント球から仕掛けていかないといけなかった」

▽広島佐々岡投手コーチ(先発九里に)「もう少し大胆にいってほしかった。打線、球場を考えると慎重になる気持ちも分かるが、大胆にいけないと走者をためてしまう」

▽広島九里(4回8安打4四死球3失点に)「見ての通りです。試合をつくることができなかった。申し訳なく、悔しい気持ちです」

▽広島松山(4回に唯一の得点となる左前打もチーム敗戦に一言のみ)「また明日頑張ります…」