巨人のドラフト6位ルーキー戸郷翔征投手がプロ野球史上初のデビューを飾った。

優勝の決まった大一番に高卒新人として初めて、プロ初登板初先発で抜てきされた。150キロ超の直球を連発する堂々たる投球内容で4回2/3を4安打2失点。ミラクル初勝利にはあと1歩、届かなかったが「(緊張で)涙が出そうだった。でも楽しかったです」と、けれん味のない新星が歓喜の輪に加わった。

長い腕を生かしたダイナミックなフォームに将来性を予感させた。「最初から全力で飛ばした」と立ち上がりからフルスロットルで相手打線に挑んだ。初回を3者凡退で滑り出すと、直球を軸にカットボール、フォークを操りイニングを進めた。3回に2死から安打と乙坂の2ランで先制を許すもマウンドの19歳は躍動。5回2死一、二塁で降板を告げた宮本投手総合コーチは「よく頑張った!」。ナインからもハイタッチで迎えられた。

身長186センチ、体重72キロ。バレーボール選手だった母譲りの長い腕が特徴。プロ入り後は地道なトレーニングと走り込みを重ねて最速が5キロアップし154キロ。伸び盛りの“持ってる”長身右腕がCSでの躍進も十分に予感させた。【為田聡史】