日本ハム栗山英樹監督(58)が今季限りで辞任する意向であることが24日、分かった。既に、球団へ辞意を伝えた。就任8年目の今季は7月まで優勝争いも、8月以降に大失速して3年ぶりのリーグ優勝を逃した。22日にクライマックスシリーズ進出の可能性も消滅し、この日で5位が確定。成績不振の責任を取る覚悟を決めた。

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栗山監督が、8年に及ぶ長期政権にピリオドを打つ可能性が出てきた。今季は7月末時点で首位と0・5差の2位だったが、8月以降に2度の大型連敗を喫して優勝戦線から後退。3年ぶりのリーグ優勝を逃し、5位が確定した。同監督に近い関係者によれば、球団側へ既に辞意を伝えたことが、分かった。シーズン終了後、川村球団社長と直接会談して、正式に意向を伝える見込みだ。

1年契約で臨んだ就任8年目は、下馬評も高かった。昨オフはオリックスを自由契約になった14年沢村賞右腕の金子を獲得。台湾球界から2度の打率4割超えをマークした王柏融も加入したが、開幕前に清宮が右手有鉤(ゆうこう)骨を骨折するなど故障者が続出。6月には先発の軸だった上沢も打球を左膝に受けて骨折し、戦線離脱した。現場トップとして、苦しい戦況を打破できなかった責任を痛感しているという。

栗山監督は12年から指揮を執り、球団では連続在任年数で76~83年の大沢啓二氏に並んで球団最長。これまで1度の日本一、2度のリーグ優勝を果たした。投打二刀流の大谷(現エンゼルス)に代表されるように、若手の育成にも尽力。現在の主力である中田、西川、中島らも積極的に経験を積ませて実力を伸ばした。常識にとらわれない斬新な選手起用、戦略も含めて強烈なリーダーシップでチームをかじ取りしてきた。

一方、球団側は編成面での不備が成績不振の大きな要因と分析。栗山監督に全責任を負わせるべきではない、との考えでいる。日本ハム本社社長でもある畑オーナーを筆頭に親会社、球団上層部は、手腕を高く評価している実情もある。既に今季の検証作業をスタートしているフロント陣は来季へ向けて水面下で動きだしているが、栗山監督を含めた来季構想についてはゼロベース、白紙から思案をしているのが現状だ。

球団としてはコーチ陣の刷新を図るなど、新体制を整える来季方針を明確に示すことを条件に、辞意を明かした栗山監督を慰留するとみられる。退路を断った栗山監督と折り合うかどうかが、注目の去就の行方を占う焦点の1つになりそうだ。