下克上の道は西から! 阪神西勇輝投手(28)が5日に開幕するDeNAとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第1戦(横浜)に先発することが1日、決定的となった。

FA移籍1年目でチームトップの10勝。大逆転でCS進出を決めた最終盤の6連勝でも自身2連勝とエースの役割を果たした。「頼もしい」と語る盤石の救援陣と勢いそのまま、ポストシーズンを駆け抜ける。

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「今、勢いあると思う」

額に汗を浮かべ、西は上向くチーム状況を表した。奇跡のCS進出決定から一夜明け、甲子園で投手指名練習に参加。キャッチボールなどで汗を流した。

エースとして、下克上への先陣を切る。CS登板はオリックス時代の14年に1度経験も「あの頃は立場が違う。おんぶに抱っこだった」と振り返る。当時は日本ハムとのファーストステージで金子、ディクソンに次ぐ3戦目の先発だった。

「今は先発(陣の中)で、良い意味で先頭に立てていると思う。気持ち的にも、引っ張っていくというのが強い。初戦、2戦目と連続で勝てるように。しっかりやっていければ」

その言葉からはCS開幕投手の自覚がにじんだ。FA移籍1年目の今季はチーム最多10勝。投球回数も自身最長の172回1/3を投げるなど、先発陣の柱を担った。同じく練習に参加した青柳や高橋遥ら後輩にもアドバイスを送り、精神的支柱にもなっている。

予行もバッチリ済ませた。結果的に“前哨戦”となった9月28日DeNA戦(横浜)。エース今永と投げ合い、5回4安打無失点で勝利を呼び込んだ。今季同カードは4戦に先発し、防御率1・88。リーグ戦で最も抑え込んだ相手だ。「横浜スタジアムも前回、良い勝ち方をしている」と良いイメージを残している。

後ろにはリーグトップの防御率を残した盤石の救援陣が控える。西も「6連勝した時に『1点取れば勝てる』みたいな中継ぎの安定感。1年間を通して、ものすごく素晴らしいと思った」と頼りにする。第2戦の先発が予想される青柳も「初回から1人、1人いけるところまで。チームが勝てば、全てが正義」と信頼を置く。西は巨人とのセカンドステージも見据え「(救援陣に)余力を残してもらえれば」とイニングを食う覚悟だ。「まずは横浜戦を勝って東京に行けるように、チーム一丸となって。みんなと1日でも長く、2019年をやっていければ」。背番号16を先頭に、勝負の東上だ。【奥田隼人】