ソフトバンク工藤公康監督(56)が2日、クライマックスシリーズ(CS)のキーマンに松田宣を指名した。ヤフオクドームでの全体練習前にナインを前に約3分熱弁。

「2位で終わったので、それを取り戻そう。CSに向けてまずは準備。妥協しない練習をということを話した」。その言葉通り、フリー打撃後、ベテラン松田宣が周東と居残り特打を行った。打撃ケージ裏から見つめた指揮官は珍しくハッキリと名前を出し、期待を込めた。

「マッチが打つとチームの雰囲気もよくなるし、マッチも声が出る。みんなに期待しているが、昨年の悔しさがあると思うので、マッチにはより期待したい」

下克上日本一となった昨季、レギュラーシーズン全試合に出場した松田宣は、不振のため西武とのファイナルステージでは第3戦から先発を外れた。日本シリーズも優勝決定の第6戦で、工藤政権では初めて出番がなかった。ポストシーズン通算36打数5安打、1本塁打、2打点。松田宣は「昨年できなかったので、今年は自分のプレースタイルを貫きたい。自分の責任。シーズンとCSは違う。今が大事ということを昨年経験させてもらった」と悔しさを挽回するつもりだ。

今季も5年連続でレギュラーシーズン全試合に出場し30本塁打を記録。松田宣は「振り込んであと1カ月戦える体力をつくる。しっかりとバットが振れた」と特打の狙いを説明した。日本シリーズ後には侍ジャパンとして国際大会「プレミア12」も待っている。今年は失速せず、最後まで熱男のまま突っ走る。【石橋隆雄】