今季限りでの退団を決意した楽天嶋基宏捕手(34)が9日、胸の内を語った。創設15年の球団一筋13年目。腰を痛めた時期もあり、最少となる57試合の出場にとどまった。ただ、「100%」まで回復した中でも1軍から声はかからず、チームはCSで敗退。「大事なCSで上に呼ばれていないということは、戦力として見られていないということ」と立場を受け止めた。

来季について、減額制限を大幅に超えるダウン提示を受けたが「ここまできたら金額うんぬんよりも、少しでも出場機会だったり、フラットな目で見て勝負させてもらえるところに行きたい」と説明。その上で「スタートで出られないからここ(楽天)を出るとか、そういうことではない」と強調。純粋に競争と挑戦を求め、新天地を模索する。

「この決断で良かったのか、まだ悩んでいるのもある。ここで(現役を)終えて、球団に恩返しすることがベストなんじゃないかとか思った」と愛着をにじませ「1度きりの野球人生。わがままを聞いてもらった」としぼり出した。将来は指導者として復帰を熱望される。「非常にうれしいけど、現役でいいパフォーマンスをすることが、今目指すこと。今からコーチを目指してやるわけではないので、そこまで考えられない」と選手生活を全うする覚悟を示した。【亀山泰宏】