西武が昨季に続き、CSファイナルステージ初戦を落とした。

辻監督は「(負け方が)嫌だね。踏ん張りきれなかった」。1点差勝負の展開で、8回までリードしながらも終盤に勝ち越しを許し、最後は突き放された。

今季パ・リーグ新記録となる81試合、マウンドを託した平井を、勝負どころと踏んで降ろした。1点リードで迎えた8回から登板。1死一、三塁のピンチを招いたところで、動いた。同監督は「勝負をかけただけ。変化球を(次打者)松田なら外野にもっていかれる。三振をとるには彼(平良)だと思った」。平井から平良へ継投。託された19歳右腕は、思惑通り松田宣を156キロの直球で空振り三振に打ち取った。

しかし、続く代打・長谷川勇に遊撃の頭を越えるポテンヒットを許し同点。平良は「ちょっと甘くなってしまった。紙一重。いつもより緊張してしまった」。なおも一、三塁で初球、捕手森が痛恨の捕逸で勝ち越しを許した。勝負に出た場面で、歯車がかみ合わなかった。

監督自ら「リベンジ」と口にして臨んだ。リーグ制覇しながらも敗退した昨季と同じ相手、同じ場所。やり返すにはこれ以上ない。またしても初戦を落としたが「今日は終わりと考えるしかない。また明日の試合に向かっていくしかない。割り切って頑張るしかない」。そうやってシーズンも戦ってきた。アドバンテージの1勝を含めれば、まだ勝敗は五分。同じ悪夢はもう、繰り返さない。【栗田成芳】