日本ハム栗山英樹監督(58)が初めて、当たりくじを引いた。外れ1位でJFE西日本・河野竜生投手(21=鳴門)を指名。オリックスと競合し、16年以来のくじ引き役として登場。2番目に残りくじを引いて、交渉権獲得の文字を確認すると、笑顔で右手で小さくガッツポーズした。「初めて見たので、交渉権獲得って。初めて引けたんだよ、オレ」と大興奮した。

13年は3連敗、16年は2連敗で5連敗中だった。1位入札した大船渡・佐々木朗希投手(3年)のくじ引き役からは早々と外されていたが、大役を務めた川村球団社長からは「外したらお願いしますよ、とオレに言ってくれていた。でも、本当に決めるのは最後は…ね」。

同社長が無念の外れくじを引いた後に、吉村GMから「監督、引きますか?」と問われたという。「引くっていうのは、引けますか?じゃなくて、当たりますか?だから。一瞬、左ピッチャーだったから(席にはGM補佐の)遠藤さんがいたから、遠藤さんの方がいいかなと思ったけど、引くのはオレだろうと。当たります、当たります、当たります、と心の中で、ね」。

勝負ネクタイで臨んでいた。「これ以上ない験担ぎ。最後は野球の神様。ボールマークのネクタイで勝負したけど、当たりだった。色じゃなくて」と、この日のために準備していた小さな野球ボールが刺しゅうされたネクタイを着用し、運を引き寄せた。

右手で当たりくじをつかんだ。「ていうか、ごめん。残り1枚なんだよ。言い訳だけど、前に外した時も全部残りだからね。今日も残りだけど…ということは、前のオレは運がなかったということだね」。

“六度目の正直”で縁を結んだ河野には即戦力として期待を寄せた。「すぐに勝ってくれるピッチャーが必要だった。佐々木君の場合は別枠でしたけど。最もウチが必要としている左の先発ピッチャー。ちょうど去年の日本選手権をずっと見ていて、いいピッチャーだなと見ていた。今年、先発ピッチャーを何とかしなきゃいけないと思った1年間だった。それを確実に、埋めてくれると、信じて。本当にうれしいです。安心して、チームに合流してほしいなと思います」と話した。