破竹の勢いでCSを勝ち上がったソフトバンク有利-。一般的な下馬評は、こうなるかもしれない。しかし、巨人には投打で極めて強いデータを誇る選手が存在する。山口俊投手(32)とアレックス・ゲレーロ外野手(32)が、日本一奪取のキーマンに浮上する。【構成=多田周平】

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投手陣のキーマンは第1戦に先発の山口。今季は不調の菅野に代わって先発陣の柱となり、最多勝、最高勝率、最多奪三振の3冠と文句なしの活躍をみせた。

投球の内容に目を移すと、特に被本塁打の少なさが際立つ。昨季はチームワーストの18本塁打だったが、今季は半分以下の8本。被本塁打率は両リーグ最少と、本塁打の出やすい東京ドームを本拠地としながら1発を許さなかった。ソフトバンクはレギュラーシーズンで巨人と並ぶ両リーグ最多の183本塁打で、CSでも7戦14発と本塁打が脅威の打線。「本塁打を打たれない」山口の投球は見どころの1つとなりそうだ。

ソフトバンク戦での相性の良さも味方する。通算11試合で4勝4セーブと負けがなく、先発、抑えのどちらでも防御率0点台。17年には6回を無安打に抑えて継投でのノーヒットノーランを達成と、タカ打線をねじ伏せてきた。

セ・リーグのチームは日本シリーズでパ・リーグの本拠地で15連敗中。特にヤフオクドームは11年から12連敗中と鬼門の球場だ。ソフトバンクキラー山口が福岡での嫌な流れを止め、日本一奪還を狙う巨人に勢いをもたらしたい。