侍ジャパン近藤健介外野手が、鬼の眼力で勝利に貢献した。

4-4の8回1死満塁。「めっちゃ緊張しました」。内角高めに飛んできた7球目に身をよじらせながら跳ねた。決勝の押し出し四球。「投手も、あっぷあっぷしていたので四球も片隅に入れながら打席に入った」。絶好機でも頭は冷静に、右腕ビスカヤのムービングボールを見極めた。

驚異の出塁率を発揮した。「3番左翼」でフル出場し、5打席で1打数無安打も4四球。1つは申告敬遠も、持ち前の選球眼は健在だった。今季パ・リーグ最高出塁率で、四球はトップの103個。ただ一人の大台超えと圧倒的数字を残した。「(ベネズエラの)ビデオを見ていましたし、戸惑いはなかった。つなぎの部分ではよかった」と確かな目力で、値千金の仕事を果たした。

エンゼルス大谷がアドバイスを求めるほどの打撃力を持ちながら、簡単にはバットを振らない。16年オフから視覚機能を向上させるビジョントレーニングを取り入れた結果、メンタル面も整えられ「泳いでもいいや」と楽な気持ちで打席に入れるようになった。国際舞台でも強みを披露。「外国人特有の動く球と(継投で投手が)コロコロ変わる。しっかりと準備を怠らずに打席に入りたい」と勝利だけを見つめていく。【田中彩友美】