【台中(台湾)8日】侍ジャパンがリラックス・リターンする。プレミア12の1次ラウンドB組1位通過決定から一夜明け、台中インターコンチネンタル球場で調整した。稲葉篤紀監督(47)は11日のスーパーラウンド初戦(ZOZOマリン)での先発が有力な山口を本隊より1日早く帰国させ、より良い調整環境を用意。練習も希望制とし、自ら外野で球拾いをしてリラックスムードを演出した。チームは今日9日に帰国する。

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稲葉監督が若手選手のように台湾のグラウンドを駆けた。ユニホームのズボンをヒザ下まで引き上げ、ソックスを見せるオールドスタイル。珍しい格好でフリー打撃で外野に飛んできた打球を左右へと追い掛けた。「今日はボールボーイ、守る人がいなかったので、裏方に徹しようと。動こうと思ったので(ソックスを)上げた方が動きやすいと思った。翼(会沢)も上げていたので久しぶりにね」と柔和な表情で話した。

メンバー28人中22人が参加した。指名練習ではなく各自がコンディションを判断して参加の判断を委ねられた。3試合に出場した菊池涼や、先発2日後の高橋礼は休養した。指揮官は「拘束せずに自主性でやった方が、これだけ3日間、タイトに緊張感ある中で試合をしてきて、ちょっとどこかでホッとする時間も必要かなと思った」と、あえて弛緩(しかん)させた。

不参加は休養目的だけではない。5日のベネズエラ戦に先発した山口が帰国した。「俊(山口)に関してはいろんな調整があるので、いったん日本に帰ってというところ」。登板2日前のブルペン入りがルーティン。11日のスーパーラウンド初戦での先発が有力な右腕は一足先に帰国しておけば、9日に慣れた環境でブルペン投球ができる。

練習終了時点で対戦相手が決まっていなかったが、イメージは少しずつ膨らんでいる。C組を突破した韓国に「左の2人(金広鉉、梁〓(王ヘンに玄)種)。やはり評判通りの素晴らしい投球だった。打ち崩さないと世界一はないと思う」。緊張の糸をほどきつつ、宿命のライバルへの闘志を点灯させた。【広重竜太郎】