PL学園(大阪)が利根商(群馬)に逆転勝ちし、マスターズ甲子園初出場初勝利を挙げた。

逆転のPLは今もなお健在だった。初回に先制点を奪われたが、その裏1死二塁から岡本昂大外野手(31)の右前適時打で同点とし、2回に2点を奪い試合をひっくり返した。2点リードの5回には4番の桑田真澄氏(51)が右越え二塁打で出塁。1死三塁とし、6番岩田徹捕手(52)の左前適時打で4点目を追加した。

4回からは大甲子園のマウンドに「PLの桑田」が帰ってきた。母校のユニホームで甲子園に立つのは1985年夏以来34年ぶり。「昨夜からワクワクして眠れなかった。甲子園で投げられて本当にうれしかった」。予選での背番号は81番だったが、本大会では自身の希望もあり高校時代と同じ背番号1を背負った。「今日は自分の好きなのを選んで良いと。PLは1番だと思うので」と、甲子園で心躍る姿は白球を追った高校球児のままだった。

先頭打者にはこの日最速126キロをマークしたが四球。2番打者を遊直ゲッツーに仕留め2死としたが、4番打者に代名詞の99キロカーブを右前に運ばれるなど2死一、二塁。5番打者を124キロ直球で二飛に仕留め、2安打無失点に抑えた。

来年の出場に関しては「OB会も含めて話していきたい。(OBは)まだまだたくさんいるので、一人でも多くの人に参加してもらいたい」と前向きな姿勢を見せた。

また、PLベンチ上の3塁側内野席には名物の人文字応援も復活した。北は北海道、南は沖縄と全国各地から集まったOBや一般参加者630人が、おなじみ「PL」や利根商の「TC 利根」の文字をつくりスタンドを彩った。

応援歌「PL★GO」が流れれば赤と黄色のカラーボードを掲げた。最年長の参加者はPL学園2期生の福岡県の81歳女性で「人文字に参加したことがないのでどうしても」と駆けつけたという。この日の最年長は81歳、最年少は18歳、ブラスバンドやチアリーダーなども含め、計約1400人の歴代OBが集結。1日限りの大応援団を復刻させた。