侍ジャパンが「風神」で勝ちどきを上げる。11日に行われる「プレミア12」スーパーラウンド(SR)初戦のオーストラリア戦(ZOZOマリン)に向け、同球場で前日調整を行った。絶好調の鈴木誠也外野手(25)は日本代表の4番としては史上初の3戦連発を狙う。風っている投手陣と、神っている「see ya(セイヤ)」を旗頭に、世界一へのアタックが始まる。

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「神ってる侍」鈴木誠也は地の利も生かして歴史を塗り替える。台湾1次ラウンドでは12カ国トップの3戦9打点&2盗塁、同最多タイの2本塁打。待ちに待った日本でのスーパーラウンドに向けて「応援も多いと思うし、より力が出る。100%以上の力を出して頑張りたい」と気合十分だ。

11日オーストラリア戦の舞台はZOZOマリン。「経験がないので分からない」と言いながら、強風が吹き荒れる球場でも16、18年交流戦で計24打数10安打、打率4割1分7厘と「神ってる」。1次ラウンド最終戦となった7日台湾戦では2戦連発、3戦連続打点を記録。日本代表4番が3戦連発、4戦連続打点を決めれば、ともにプロが参加した国際大会では史上初となる。食事に苦労した異国での生活も終わり、快挙達成の予感がプンプン漂う。

フリー打撃後には坂本勇に質問をぶつけ、台湾滞在期間中に続いて打撃論を話し込む場面もあった。最高の滑り出しにも慢心は一切ない。「ボール球を振っても安打になりにくい。ストライクをいかにコンタクトできるかを練習から意識している。こちらから仕掛けて、ボール球を見極められるようにしたい」。妥協なき4番が日本でも「see ya(セイヤー)!」を叫ばせる。【佐井陽介】

◆「see ya(セイ、ヤー)!」とは 「ya」は「you」の口語とされる。大リーグなどでホームランが出た際、ボールに別れを告げる意味合いで使われる。実況が興奮して叫んだ場合、「セイヤー」と聞こえる時がある。