侍ジャパン稲葉篤紀監督が、こだわって選出したスペシャリスト周東が逆転への転機となった。

「あの投手(ウィルキンズ)から二盗は難しかったが三盗はモーションが大きくていけるぞと。三塁にいくことによって、ワンバウンドが投げられない。揺さぶりをかける意味では大きな盗塁だった」と連続盗塁で反撃への下地を作った。

2死三塁からの同点劇は指揮官の想像を超えた。源田のセーフティーバント。「ベンチから見ていてまさかと思ったが、応用というか、国際大会ではああいうところで何かやってやろうというのは非常に大事。大きな1点だった」。大胆な発想にお家芸の走力が絡み、終盤で追いついた。8回も自慢の選球眼に、各打者が的確な状況判断で勝ち越しの1点をもぎ取った。

オーダーも大胆に変更した。1次ラウンド3戦でスタメン出場した坂本勇を外し、源田を起用。丸を1番に置いた。195センチの相手先発ルジッチがインステップしてサイド気味に投げてくるため「右打者はキツいだろうなと感じた」と左打者4人を並べた。盗塁死、けん制死もあったが積極的な姿勢は奨励した。スーパーラウンド2戦目の米国戦へ「いい選手が多い。日本も1つになって、みんなで勝ちにいきたい」と一丸になる。【広重竜太郎】