日本が初優勝を飾り、09年WBC以来10年ぶりとなる世界一となった。15年の第1回大会の準決勝で9回に逆転されて敗れ、優勝をさらわれた宿敵韓国を下した。

勝利の瞬間に男泣き、歓喜の胴上げで8度宙を舞って笑顔を見せた稲葉監督は試合後のインタビューで「最高です、はい。日の丸をつけて野球界のためにとにかく世界一になりたいという思いが非常に強かったですから。何とか(選手に)勝たしてあげたいという一心で。本当に選手がよく頑張ってくれた」と興奮気味に話した。宿敵韓国に勝利。「アジアのライバルとして、非常に強いので。今回は世界一になりましたが、来年の東京オリンピックでもいい勝負ができれば」と胸を張った。

先手を許す苦しい立ち上がりだった。先発山口俊が1回無死一塁で2ランを食らった。2死後にも一発を浴びた。

それでも直後の1回2死一塁で4番鈴木が左翼フェンス直撃の二塁打。一塁走者の坂本が一気に生還し反撃を開始した。2回には2死から会沢が四球、菊池が内野安打でチャンスを作ると、1番山田が左翼席へ突き刺す逆転1号3ランで形勢をひっくり返した。

3回以降は膠着(こうちゃく)状態。日本は好守連発で韓国に流れを渡さなかった。4回1死一塁、金宰煥が放った左中間最深部への左飛で一塁走者がタッチアップ。捕球した左翼近藤が素早い返球で二塁でタッチアウトにした。5回には1死一塁で田口が空振り三振に斬ると、飛び出た一塁走者を挟殺プレーでアウトにした。

7回には浅村の適時打で貴重な追加点。投げては2回以降、高橋礼、田口、中川、甲斐野、山本由、山崎と無失点でつないだ。

大会直前になって秋山が右足薬指骨折で緊急離脱、丸が急きょ招集された。アクシデントも乗り越え、東京五輪で骨格を担う選手たちでつかんだ世界一。目標に掲げている五輪での金メダル獲得へ大きな弾みをつけた。

▽山田哲人の話 (2回に逆転3ラン)とにかく世界一を取るというのは決めていたことなので、それが実現して良かったです。とにかく集中して自分のスイングをしようと、後は今大会僕自身、チームに迷惑をかけて全然打ててなかったので、悔しい思いを胸にフルスイングしました。4年前も韓国に負けて悔しい思いをしたので、今日はそれが晴らせてよかった。また半年後にオリンピックが待っているので、そこでも世界一になれるように頑張りたいです

▽甲斐野央の話 (大会を通し好投。決勝も7回に登板し3者凡退)僕は追加招集。何とか力になろうと思っていた。ゼロに抑えることができて、よかったです

▽松田宣浩の話 このプレミアで優勝するために呼んでもらったと思っている。打つので貢献したかったが、まったく打つ方でできなかったので、チームを盛り上げるように徹した。とにかく世界一を取れてよかった

◆今大会の賞金 優勝の日本に150万ドル(約1億6500万円)、2位韓国に75万ドル(約8250万円)、3位メキシコに50万ドル(約5500万円)が贈られた。賞金総額521万ドル(約5億7310万円)。