トヨタ名古屋自動車大学校(愛知)が、5回に挙げた1点をエースで主将の田中偉雄里(いおり=20)が守りきり、初優勝した。

変化球でコーナーを丹念につく田中と、直球主体の湘央生命科学技術・大野意武貴(いぶき=18)の投げ合いが続いたが、5回に均衡が破れた。トヨタは1死から佐藤泰稀、奥田裕士(いずれも19)が連続安打で続き一、三塁。打者田中は一邪飛に倒れたが、三走佐藤がタッチアップしたのを見た一塁手が悪送球。相手のミスに乗じて奪った1点を、田中の気迫の投球で守りきった。

田中は「ホッとしました。何度かピンチはあったが、絶対に負けないぞと気持ちで投げました」。161センチの小さな投手は気迫を強調した。敗れた湘央の荻野暁監督(47)は「チャンスであと1本が出なかった。でもナイスゲームでした」と振り返った。

最優秀選手賞は田中、優秀選手賞は佐藤(いずれもトヨタ)、敢闘賞は小関直矢(20=湘央)が選出された。