侍ジャパン稲葉篤紀監督(47)が東京五輪へ「ノムラのメディア操縦術」を用いる。

12日、福岡市内でイベントに参加。トークショーで世界一に輝いたプレミア12での“侍フェラーリ”周東の起用で、一計を巡らせたことを明かした。

稲葉監督 佑京(周東)の名前はメディアにドンドン出した。(相手に)情報をインプットさせる。投手はクイックをするようになるが、あまり慣れていないのでボールが増えたり、直球が甘くなる。(ヤクルト時代の)野村監督も95年のオリックスとの日本シリーズでイチロー選手と対決するにあたり、インコースを攻めると言ったが、実際での試合は違った。

プレミア12で周東はチーム最多の4盗塁。スーパーラウンド初戦のオーストラリア戦での二盗、本塁への好走塁の印象も強いが、盗塁をしなくても相手への圧力は絶大だった。大会前から選出した理由を丹念に答え「ジョーカー的」と切り札として表現し、発信していった。そのメディア操作は名将野村克也氏を倣ってのもの。策士は「いかにインコースを攻め切れるか」と公言したが、試合になれば外角高め、内角低めの対角線の高低を駆使し、イチローを打率2割6分3厘に封じた。選手時代に傍らで見ていた成功体験を模倣した。

大一番の東京五輪も、策を用いる。「情報戦になる。日本(のメディア)は発信力がある、これも我々の作戦の1つ。意識してくれるだけでいい」。すべては金メダル獲得の悲願のため。グラウンド外でも仕掛けていく。【広重竜太郎】