楽天が、ロッテ涌井秀章投手(33)を金銭トレードで獲得することが18日、分かった。早ければ19日にも発表される。先発投手を補強したい楽天と、若手の先発投手が育ちつつあるロッテの思惑が一致した。プロ15年で133勝を積み上げ、3度の最多勝に輝いた沢村賞右腕が新天地へ移る。

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◆楽天とロッテの投手事情

楽天は先発の補強が必須だった。今季リーグトップとなる救援防御率3・07とは対照的に、先発の防御率は同5位の4・17。涌井の加入で岸、則本昂との実績十分な3本柱を組める。

5月から先発へ回り8勝を挙げた石橋に、来季から先発転向する松井と今季9勝をマークした辛島の左腕2枚。塩見、福井も控えており、バランスの取れた先発ローテーションを編成できる。弓削、釜田、安楽、藤平ら若手の台頭を待てる状況も整った。

ロッテは通算133勝の右腕を失うが、若手投手の台頭が著しい。高卒3年目の種市が、今季チームトップタイの8勝。同6年目の二木が7勝、同5年目の岩下が5勝。大卒ルーキー小島も終盤は先発ローテの一角に食い込み、3勝をマークした。

中堅の層も厚い。開幕から救援スタートも、8月から先発に回った西野は6試合で1勝1敗、防御率2・52と安定。右肘手術の影響で今季2試合の登板に終わった有吉も復帰を控える。もちろん、エース石川と、楽天からFA移籍する美馬の大駒2枚もおり、涌井の穴を感じさせない陣容がそろっている。