東京五輪の金メダル獲得へ、野球界のエースとソフトボール界のエースが強力タッグを組む。

巨人菅野智之投手(30)が、ソフトボール日本代表の上野由岐子投手(37)ソフトバンク千賀滉大投手(26)と合同自主トレを行うことが11日、分かった。今月下旬に千賀らが師事する鴻江寿治氏が主宰する「鴻江スポーツアカデミー」の自主トレに2日間参加する予定。日本を代表するアスリートが刺激し合い、世界一に向かって進化する。

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東京五輪イヤーに夢のコラボが実現する。侍ジャパンの柱として期待される菅野が、ソフトボール日本代表のエース、上野と初の合同トレを実施する。これまでコンディション面のケアなどをお願いしていた鴻江氏から「『プラスになるから、話をしてみたら』と言ってくださって、ありがたい機会をいただいた」。競技は異なるが、世界一を目指すアスリート同士が時間を共有する。

菅野にとって、上野は尊敬する勝負師の1人だった。10代でソフトボール日本代表に選出され、アテネ五輪で銅メダル、北京五輪で金メダルを獲得。世界選手権でも2度の頂点に立つなど、ソフトボール界をけん引する大エースで知られる。「あれだけ長く、五輪や世界大会で活躍されている。本当にすごいこと」と目を輝かせた。

向上心や探求心が高い菅野。過去にも他競技の選手と交流し、人としても野球人としても成長した。プロゴルファーの松山英樹とは親交が深く、ゴルフや食事を通じ、世界で勝負する醍醐味(だいごみ)や厳しさに触れた。「(鴻江)先生に聞いたら(上野は)人を見る力とか、洞察力がすごいと。僕もいろんなことを感じてきたい」と話した。

千賀との合同トレにも高揚感を漂わせた。ともに、東京五輪では日本投手陣のけん引役として期待がかかる。侍ジャパンでともにプレーした経験はあるが、自主トレは初めて。「千賀もすごいですよ。すごい考えを持っています」と一目置く。ソフトボールと野球。球界最高峰の投手が「鴻江スポーツアカデミー」に集結し、世界と勝負する準備を進める。【久保賢吾】

◆鴻江スポーツアカデミー スポーツトレーナーの鴻江寿治(こうのえ・ひさお)氏が主宰し、プロ野球界ではソフトバンク千賀、東浜、松本、ロッテ種市、西武榎田らが自主トレに参加する。投球動作の解析などを元に、独自の理論とともに投球フォームを作り上げる。