巨人原辰徳監督(61)が、「ポスト阿部」となる一塁手のレギュラー発掘をキャンプのテーマに掲げた。20日、都内で1~3軍の全首脳陣、フロントらによるスタッフミーティングを開催。昨季複数選手を併用した二塁手、捕手に加え、各チーム強打者がそろう一塁手も打者の攻撃力を示すOPS(出塁率+長打率)が低いことに着目。昨季一塁で最多出場の岡本は三塁に固定する方針で、若手、ベテランの台頭を求めた。

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各セクションからの現状報告を聞き終えた原監督が、チームの課題を明確にした。ポスト山口の育成をテーマにする投手陣に加え、野手ではレギュラー不在の位置がある。「ファースト、セカンドは空いているポジション。選手の能力という点においては高い選手ではないということですね。他のチームと比べるとOPSの数字もファースト、セカンド、キャッチャー、この数字は決してほめられるもんじゃない。したがってチャンスがある」。

昨季若手を併用した二塁手に加え、打撃面の比重が高い一塁争いを新たにテーマに掲げた。昨季の一塁手のチームOPSはリーグ4位。引退した阿部、三塁に固定する岡本を差し引くと、阪神を下回りリーグワーストとなる。現状、一塁手の新外国人補強はなく、日本人で競争させる方針。指揮官は1軍無安打ながら潜在能力を高く評価する3年目の北村、昨年イースタン・リーグ首位打者の2年目山下、復活を期すベテラン中島の名前を挙げ「大きなチャンスになると思います」と期待した。

もちろんプロとして結果が出なければ次の手を打つ。「外国人の準備もお願いはしている。ただ焦る気持ちは毛頭ありません」と腰を据えた争いを求めた。4年ぶりに1~3軍が宮崎でスタートするキャンプでは当面2軍、3軍は振り分けずにファームも横一線からの競争を促す。「自転車で回ろうか。(報道陣も)借りた方がいいかもよ」と、宮崎総合運動公園の広大な敷地内を動き回るプランも披露。若手発掘、レギュラー固定へ、理想の選手を見定めていく。【前田祐輔】