国鉄、巨人などで活躍したプロ野球史上唯一の400勝投手で、昨年10月に急性胆管炎による敗血症のため86歳で亡くなった金田正一さんのお別れの会が21日、東京・千代田区の帝国ホテルで行われた。

巨人原辰徳監督(61)が弔辞を読み、長嶋茂雄終身名誉監督(83)、ソフトバンク王貞治球団会長(79)、元楽天監督の野村克也氏(84)ら球界関係者約500人が参列した。一般献花には約400人が集まり、多くの人たちがカネやんとの別れを惜しんだ。

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62年前の記憶はいつまでも鮮明に残る。お別れの会に参列した長嶋終身名誉監督は肉声を発することはなかったが、最前列に並び、指名献花を行った。司会者が読み上げた弔電には「あの日、金田さんからプロの洗礼を浴びたことで、私の野球人としての人生がスタートしたといっても過言ではありません」と記した。プロ1年目の58年4月5日、巨人対国鉄の開幕戦を思い返した。

超ゴールデンルーキーとしてプロNO・1投手に挑み、子ども扱いされた。第1打席は直球に空振り三振、2打席以降もカーブ、直球、カーブで4打席連続の空振り三振。ルーキーイヤーは本塁打、打点の2冠も金田さんの前では28打数5安打1本塁打、4打点、打率1割7分9厘。プロのすごみを見せつけられた先輩に「偉大な金田投手と同じ時代にプレーできたことを心より感謝しています」と深々と頭を下げた。

65年からは巨人でともにプレーし、伝説のV9へと導いた。「あなたのおおらかさ、豪快さ、優しさは多くの仲間を勇気づけてくれました。私もその1人です。本当に本当に、ありがとうございました」と結んだ。【為田聡史】

◆主な参列者 長嶋茂雄、王貞治、河合克美、老川祥一、衣笠剛、石原慎太郎、野村克也、張本勲、杉下茂、平松政次、小川淳司、原辰徳、井口資仁、堀内恒夫、谷沢健一、松本尚樹、山崎裕之、西村徳文、有藤通世、福本豊、篠塚和典、佐々木主浩、谷繁元信、和田一浩、青木功、中嶋常幸、若松勉、大島康徳、和田豊、駒田徳広、野村謙二郎、佐々岡真司、古田敦也、中畑清、江川卓、中野浩一、松尾雄治、小早川毅彦、井端弘和、小林雅英、江本孟紀、川相昌弘、川口和久、徳武定祐、小宮山悟、仁志敏久、石井琢朗、福浦和也、末次利光、赤星憲広、渡辺俊介、桑田真澄、初芝清、徳光和夫、テリー伊藤、松村邦洋(順不同、敬称略)